特定施設水道連結型スプリンクラー設備の消防検査|放水量・放水圧力を測定

特定施設水道連結型スプリンクラー設備の設置工事完了後、消防職員立会いのもとで消防検査を実施しました。

今回の写真は、消防検査における「放水量測定」の様子です。スプリンクラー設備は、配管やヘッドを設置するだけでは完成ではありません。火災が発生した際に必要な水量と圧力を確保し、設備が設計どおりに作動することを、実際に放水して確認する必要があります。

4系統から同時に放水して水量を測定

写真では、試験用配管を接続し、4つの吐出口から同時に放水しています。それぞれの水を容量の分かる容器で受け、決められた時間内に溜まった水量から、1分当たりの放水量を確認します。

これは、火災時に複数のスプリンクラーヘッドが同時に開放した状況を想定した試験です。

水道直結式の特定施設水道連結型スプリンクラー設備を設計する際は、原則としてスプリンクラーヘッド1個当たり15L/分以上の放水量を確保する必要があります。また、火災予防上支障があると認められる場合には、ヘッド1個当たり30L/分以上の放水量が必要です。

さらに、最大4個のスプリンクラーヘッドが同時に開放する場合を想定して設計します。そのため、必要となる放水量の目安は次のようになります。

  • 15L/分×4個=合計60L/分以上
  • 30L/分×4個=合計120L/分以上

今回の試験でも4系統から同時に放水し、各系統の放水量と合計の放水量を測定しました。1か所だけでなく、4か所へ同時に水を流した状態でも必要な性能を維持できるかを確認することが重要です。

水道直結式は建物ごとに放水条件が異なります

水道直結式スプリンクラー設備は、水道本管から供給される水を利用して放水します。そのため、次のような条件によって実際の放水量や放水圧力が変わります。

  • 水道本管から供給される水圧
  • 水道メーターや引込管の口径
  • スプリンクラー配管の口径
  • 配管の長さ
  • 曲がりや分岐の数
  • 建物の高さ
  • 同時に開放するヘッドの数

水道の蛇口から十分な量の水が出ていても、4個のスプリンクラーヘッドを同時に開放すると、各ヘッドの放水量や圧力が低下することがあります。

そのため、設計段階で配管の摩擦損失や必要水量を計算するとともに、完成後の消防検査では実際に放水し、必要な性能が確保されているかを確認します。

放水量だけでなく放水圧力も確認

消防検査では、写真のような放水量測定だけでなく、末端部分などで放水圧力を測定し、必要な性能が確保されているかを確認します。

必要な放水量が出ていても、圧力が不足していれば、スプリンクラーヘッドから水を十分な範囲へ散水できない可能性があります。反対に、圧力が過大な場合にも配管や機器へ負担がかかるため、適切な範囲に調整する必要があります。

今回の設備には加圧送水装置を設置しており、放水を開始した際にポンプが正常に起動し、4系統へ必要な水量と圧力を供給できるかについても確認しました。

水道本管から供給される圧力だけでは必要な放水性能を確保できない場合には、このような加圧送水装置によって不足する圧力や水量を補います。

消防検査で確認される主な項目

消防検査では、設備の方式や所轄消防署との協議内容に応じて、主に次のような項目が確認されます。

  • スプリンクラーヘッドの設置位置と警戒範囲
  • ヘッド周辺に散水を妨げる障害物がないか
  • 配管の口径、施工状態および支持方法
  • バルブや末端試験装置の設置状態
  • 各ヘッドに相当する放水量
  • 4系統同時放水時の合計放水量
  • 末端部分などにおける放水圧力
  • 加圧送水装置の自動起動と停止状態
  • 流水を検知した際の警報や表示
  • 配管からの漏水や異常の有無
  • 制御盤、電源および各種表示の状態
  • 必要な標識や操作説明の設置状態

見た目がきれいに施工されていても、火災時に設備が確実に作動しなければ意味がありません。実際に放水し、ポンプや警報装置を作動させ、設備全体を総合的に確認することが消防検査の大切な目的です。

設計・施工から消防検査まで一貫して対応

特定施設水道連結型スプリンクラー設備では、建物の用途や面積、既存の水道設備、配管経路などを事前に確認し、必要な放水量と放水圧力を確保できるように計画することが重要です。

特に、既存の住宅をグループホームや福祉施設へ用途変更する場合は、天井裏へ配管できない、水道メーターの口径が小さい、既存の水圧だけでは必要な放水量を確保できない、加圧送水装置の設置場所が限られているなど、建物ごとに異なる課題があります。

消防設備工事PROでは、現地調査、放水量や水圧の確認、消防署との事前協議、設計、届出、スプリンクラー配管工事、加圧送水装置の設置、放水試験、消防検査まで一貫して対応しています。

愛知県・名古屋市周辺で、グループホーム、障害者施設、高齢者施設、福祉施設などへの特定施設水道連結型スプリンクラー設備の設置をご検討の方は、お気軽にご相談ください。既存建物の給水条件を確認し、消防検査まで見据えた適切な設備をご提案いたします。

※必要となる放水量、放水圧力、設備構成および検査項目は、建物の用途・規模・給水条件・設備方式・所轄消防署との協議内容によって異なります。

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