自家発電設備が必要となる消防設備とは?
停電時も命を守る、非常電源の役割
火災や自然災害が発生した際、最も重要なのは「電源の確保」です。停電中でも確実に作動しなければならない消防設備には、自家発電設備(非常用発電機)などの非常電源が求められます。本記事では、自家発電設備が必要となる消防設備の種類や設置基準について解説します。
自家発電設備とは?
自家発電設備とは、商用電源が断たれた際に自動的に起動し、建物内の消防・防災設備に電力を供給するシステムです。通常はディーゼルエンジンを用いた非常用発電機が設置され、一定時間以上の稼働が求められます。
自家発電設備が必要な主な消防設備
以下の消防設備には、停電時にも確実に動作するよう、自家発電設備または蓄電池などの非常電源が義務づけられています。
1. 非常用エレベーター
火災時に高齢者や要支援者の避難に使われるエレベーター。耐火構造で区画されたシャフト内に設置され、非常電源の確保が必須です。
2. 排煙設備(機械式)
自然排煙が困難な中高層建築物では、ファンなどを用いた機械式排煙設備が必要になります。停電時でも排煙を継続できるよう、電源の確保が求められます。
3. 非常用照明設備
避難経路や階段に設置される照明。多くの場合、内蔵バッテリーで対応しますが、規模や用途によっては自家発電によるバックアップが必要です。
4. 自動火災報知設備・防災センター設備
火災感知器や受信機は、建物全体の火災状況を正確に把握・通知するための重要設備。24時間稼働を維持するために、非常用電源が義務付けられています。
5. スプリンクラー設備・屋内消火栓設備
ポンプによって加圧・放水されるこれらの設備は、停電時も確実に起動・送水できるよう、非常電源での駆動が必要です。
消防設備等の種類 | 設備 | 屋内消火栓 | スプリンクラー | 消火活動上必要な設備 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||
防火対象物 | 消防法施行玲 | 第11条 | 第12条 | 第28条 | 第29条 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||
設置基準 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
項別 | 特定 | 防火対象物の用途等 | 一般 | 地階・無窓階又は4階以上 | 一般 | 地階・無窓階 | 4階以上10階以下 | 地階を除く階数が11階以上 | 11階以上の階 | 排煙設備 | 連結送水菅 | ||||||||||||||||||||||||||||
法令で定められた非常電源の基準
建築基準法や消防法により、自家発電設備の設置に関する技術的基準が定められています。例えば、スプリンクラー設備用の非常電源は最低でも30分以上の連続運転が求められるなど、用途に応じた運転時間や切り替え速度などが明記されています。
消防設備工事PROにできること
消防設備工事PROでは、建物用途や規模、既存設備の構成をふまえた非常電源の選定・設計・施工・点検を一貫して行っています。自家発電設備と連動した消防設備の最適なプランをご提案し、消防署との協議や申請業務も対応可能です。
まとめ
自家発電設備は、いざという時に人命を守る消防設備の「命綱」となる存在です。停電が発生しても確実に稼働し続ける設備設計・施工が、安全な建物づくりには欠かせません。
消防設備の非常電源対策についてお困りの方は、ぜひ消防設備工事PROにご相談ください。