マンションの連結送水管|設置基準と“後付け”工事のポイント
消防署から「連結送水管の設置が必要です」と指摘されてお困りのマンションオーナー様へ。ここでは設置が必要となる建物条件と、指摘後でも後から工事が可能な流れをご紹介します。
1. 連結送水管ってどんな設備?
連結送水管は、消防車からの送水口と建物内部に配された放水口を繋ぎ、火災時に消防活動に不可欠な大量の水を建物上部へ送る設備です。送水・放水口の配管やホース格納箱を備え、消防がスムーズに接続・放水できるよう設計されています 。
2. 設置義務のある建物(消防法施行令第29条)
以下のいずれかに当てはまる建築物には連結送水管の設置が義務付けられています 。
条件 | 内容 |
---|---|
① | 地階を除く階数が7階以上 |
② | 地階を除く階数が5階以上かつ延べ面積6,000㎡以上 |
③ | 地下街の延べ面積が1,000㎡以上 |
④ | 延長50m以上のアーケード道路(自走式駐車場の建物や商業施設屋上など) |
🔍 チェックポイント:
古いマンションで基準未達でも、増築・用途変更・現地消防署による指摘時に該当することもあるため注意が必要です。
3. 連結送水管の設置基準詳細
🔹 送水口(外部の消防車接続部分)
- 双口形(ホース2本接続可能)
- 標識設置:一目で送水口と分かる案内板
- 高さ要件:地盤面から50〜100cmの範囲
🔹 放水口(建物内部各階の消火活動拠点)
- 設置位置:階段室、非常エレベーターホールなど、消防が効果的に放水できる位置
- 対象階:3階以上および地階に設置
- 距離要件:各部分から水平距離50m以下(アーケードは25m以下)
- 高層階(11階以上):双口形送水口+ホース格納箱を併設
- 標識設置:一目で分かるように
- 高さ要件:床面から50〜100cmの範囲
4. 消防署からの指摘後 ~ 後付け設置工事の流れ
🧭 よくあるシナリオ
- 定期点検や立入り検査で「基準に適合していません」と指摘
- 増改築・用途変更に伴う審査や査察にて新たに対象となるケース
🛠 工事の進め方
- 現地調査・消防との協議
建物構造、配管経路、設置スペースを確認し、消防とプロとして事前調整 - 設計・見積提出
最適な設置ルート、露出/隠蔽配管の選定と費用見積もり - 施工
送水口・放水口・格納箱などの設置工事。既存設備・意匠に配慮しながら施工 - 消防竣工検査
完成後に消防署にて検査を受け、是正指摘が解消されていることを確認 - 引き渡し・報告書提出
改修内容や遵法状態を示す書類を消防とオーナーに提出
⌛ 工期と費用感
- 工期の目安:1週間~3ヵ月(マンション規模や工事内容で変動)
- 費用の目安:数百万円~数千万円(階数・配管ルート・既存状況による)
- 同時工事のコストメリット:外壁修繕や大規模改修と併せて施工すれば、足場共有や配管効率化で経費削減可
5. 専門会社に任せるメリットと安心材料
- 消防法令の最新基準に準拠した設計と施工
- ** 全施工工程の管理**:現地調査、設計、見積、施工、検査対応までワンストップ
- 消防との折衝も含めた対応力
- 安価な後付けを可能にする複数現場の経験と技術
✅まとめ|早期対応でリスクを軽減
- 該当基準に当てはまるマンションでは、連結送水管の設置が義務付けられています
- 消防署からの指摘が入っても、後付け設置は十分可能です
- 工事は数百~数千万円レベルですが、大規模修繕との併用で大幅にコスト削減
- 早めの専門相談が、罰則リスクを回避し費用抑制にもつながります
📩お気軽にご相談ください!
消防署からの指摘、「基準がわかりにくい」「どう工事すればいいの?」といったご不安がありましたら、当社が現地調査から消防検査済までサポートいたします。
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