スプリンクラー設備のエアーによる耐圧試験|通水前に配管の漏れを確認

スプリンクラー設備の配管工事では、配管を接続して終わりではありません。

配管工事が完了した後は、実際に水を流す前に圧縮空気を配管内へ送り込み、継手やバルブなどから漏れが発生していないかを確認します。

今回は、スプリンクラー設備の配管に対して実施した、エアーによる事前漏れチェックの様子をご紹介します。

通水前にエアーで配管の漏れを確認

スプリンクラー設備の配管には、多数の継手や分岐部分、バルブなどがあります。

施工時には一つひとつ確実に接続しますが、目視だけでは配管内部のわずかな隙間や接続不良まで完全に確認することはできません。

そこで、配管工事が完了した段階でコンプレッサーを接続し、圧縮空気を配管内へ送り込みます。

一定の圧力をかけた状態で圧力計の数値を確認し、時間の経過によって圧力が低下しないかをチェックします。圧力が下がる場合は、配管のどこかから空気が漏れている可能性があります。

なぜ水を入れる前にエアー試験を行うのか

配管へ直接水を入れてから漏れが見つかった場合、建物内に水が流れ出し、天井や壁、床、家具、電気設備などを濡らしてしまう恐れがあります。

特に既存建物では、天井裏や壁内にスプリンクラー配管を施工することも多く、漏水箇所によっては大きな水損被害につながりかねません。

事前に圧縮空気で漏れを確認することで、万一施工箇所に不具合があっても、水を使用せずに発見できます。

エアーによる漏れチェックは、建物を水損から守り、安全に通水作業へ進むための重要な確認工程です。

今回のエアー試験の流れ

今回の現場では、屋外に設けられたスプリンクラー設備の末端試験弁からコンプレッサーを接続しました。

施工の流れは次のとおりです。

1.配管工事とバルブの状態を確認

最初に、配管や継手、バルブ類の施工状態を確認します。

試験に不要な箇所のバルブを閉め、圧縮空気を送り込める状態にします。バルブには「常時閉」などの表示を取り付け、通常時の正しい状態が分かるようにしています。

2.コンプレッサーを接続

末端試験弁側の接続口へ耐圧ホースを取り付け、コンプレッサーから配管内へ圧縮空気を送り込みます。

写真では、赤いエアーホースを使用してコンプレッサーと配管を接続しています。

3.圧力計を確認しながら加圧

圧力計を確認しながら、配管内へ慎重に圧力をかけていきます。

急激に加圧するのではなく、配管や接続部の状態を確認しながら作業を進めることが重要です。

4.圧力の低下がないか確認

所定の確認圧力まで加圧した後、一定時間その状態を保持します。

圧力計の数値が安定していれば、大きな空気漏れが発生していないことを確認できます。数値が低下した場合は、配管の継手やバルブ、接続部などを確認し、漏れの原因を特定します。

必要に応じて発泡液などを使用し、気泡が発生する場所から漏れ箇所を調査することもあります。

圧力計で配管内の状態を確認

今回の設備には、配管内の圧力を確認するための圧力計を設置しています。

圧力計があることで、加圧時の圧力だけでなく、一定時間経過した後に圧力が維持されているかを確認できます。

試験中は圧力計から目を離さず、異常な圧力上昇や急激な圧力低下がないかを慎重に確認します。

エアー試験後に通水確認を実施

エアーによる漏れチェックで異常がないことを確認した後、圧縮空気を安全に抜いてから通水作業へ進みます。

エアー試験は、あくまでも通水前に配管の施工不良や漏れを確認するための事前確認です。最終的には実際に水を入れ、配管やバルブ、末端試験弁などが正常に機能するかを確認します。

このように、

配管工事→エアーによる漏れチェック→通水確認

という順番で作業することで、水損のリスクを抑えながら、確実な施工確認を行うことができます。

圧縮空気を扱う際の注意点

圧縮空気は、水を使用せずに漏れを確認できる便利な方法ですが、取り扱いには十分な注意が必要です。

空気は圧縮されるとエネルギーを蓄えるため、配管や継手が外れた場合には部品が勢いよく飛散する危険があります。

そのため、試験を行う際は次のような安全管理が必要です。

  • 配管や継手が確実に固定されているか確認する
  • 圧力計を確認しながら徐々に加圧する
  • 配管の許容圧力を超えないようにする
  • 加圧中は継手や閉止部分の正面に立たない
  • 試験終了後は圧力が抜けたことを確認してから機器を取り外す

試験圧力や試験方法については、設備の仕様、使用する配管や機器、設計図書、所轄消防署との協議内容などに基づいて判断します。

スプリンクラー設備は見えない部分の確認が重要

スプリンクラー設備の配管は、完成後に天井や壁の中へ隠れてしまう部分が多くあります。

一度天井を仕上げてから漏水が発生すると、天井材を解体して修理しなければならない場合もあります。

そのため、配管が見える段階で入念に漏れを確認しておくことが重要です。

完成後には見えなくなる部分だからこそ、施工途中の確認を省略せず、一つひとつ確実に検査することが、設備の信頼性と建物の安全につながります。

まとめ

今回は、スプリンクラー設備の配管工事完了後に実施した、圧縮空気による漏れチェックをご紹介しました。

通水前にエアーで配管へ圧力をかけることで、継手やバルブなどの漏れを水を使用せずに確認できます。

事前に不具合を発見できれば、建物内での漏水や水損被害を未然に防ぐことが可能です。

スプリンクラー設備は、設置するだけでなく、施工途中の検査や完成後の作動確認まで確実に行うことが重要です。消防設備工事PROでは、スプリンクラー設備の設計・施工から各種試験、消防署への届出まで一括して対応しています。

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