以下は、消防庁(FDMA)の資料と各自治体のガイドをもとに整理した「二酸化炭素消火設備の基準改正」に関する記事案です。
🚨 二酸化炭素消火設備:基準改正の背景と要点
● 背景:事故多発を受けた緊急見直し
令和2年12月から令和3年4月にかけて、機械式駐車場や点検中の誤作動により二酸化炭素消火設備が作動し、複数の死亡事故が発生しました(名古屋、港区、新宿区) (koatsu.co.jp)。
このため、消防法施行令・施行規則および告示が改正され、新基準が設けられました。
🔧 改正の主な内容
- 起動用ガス容器の追加
- 全域放出方式の設備には、抑制ガス容器の設置が義務化 (kodamakouiki.jp)。
- 緊急停止信号装置の設置
- 放射停止を制御盤に通知する緊急停止装置が必要 。
- 自動式起動にはAND回路の採用
- 自動起動型は、2つ以上の火災信号が揃った時のみ作動する構成に変更 。
- 音響警報の音声化
- 常時人のいない場所でも自動起動型には音声警報が必要 。
- 閉止弁(シャットオフ弁)の設置
- 集合管または操作管に、基準適合の閉止弁を設置 (city.hiroshima.lg.jp)。
- 危険標識の設置
- 防護区画出入口などに二酸化炭素の危険性を示す標識が必要 。
- 工事・点検時の設備措置強化
- 作業時には閉止弁を閉じ、手動切替状態を維持するなど徹底 。
- 作動後の立入禁止ルール
- 消火剤排出まで防護区画内への立入を禁止 。
- 設備管理の図書備付義務
- 構造図や点検手順書などを制御盤付近に常備 。
🗓 適用スケジュールと経過措置
- 令和5年4月1日施行(新設設備は全項目が必要)
- 既設設備への適用:
- 項目(5)~(9)は令和5年3月31日までに対応が必要
- 閉止弁については延長措置で令和6年3月31日までに設置すれば一部要件の未達でも違反とならない場合あり (city.kitakyushu.lg.jp)
📌 補足事項
- 点検義務の強化:
消防設備士等による定期点検が新たに義務化(消防法施行令第36条) 。 - 基準告示の詳細:
閉止弁に関する材質・表示・耐圧等の細目基準は、消防庁告示第8号により整備済み (fdma.go.jp)。
✅ 対象者への注意喚起
防火対象物の所有者・管理者は:
- 設備が令和6年3月31日までの猶予にどう適合するか確認し、対応を ▶
- 閉止弁・緊急停止・音声警報・標識・図書などが未整備なら速やかに実施を
- 消防設備士による点検手配を忘れずに
さらに、工事やメンテ時は必ず閉止弁操作・手動維持・点検マニュアル確認の徹底をお願いします。
📝 おわりに
今回の基準改正は、過去の死亡事故を受けた緊急措置として、設備の物理的安全性から運用・管理に至るまで網羅的な対策が講じられています。新設・既設とも、新基準への準拠は法律の遵守に直結します。安全性・法令遵守の確保に向け、関係者は迅速かつ確実な対応が求められます。
さらに詳しい設置・管理手順については、消防庁資料やお住まいの自治体の消防部局へご確認ください。